96年3月SF Book Review


今月の新刊ラインナップは一体なんなんだろう?喜ぶべきか、悲しむべきか…。

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  • 遥かなる地球の歌
    アーサー・C・クラーク著、早川書房、620円)
  • SFには2種類ある。
    SFファン以外にも勧められるSFと、SFファン以外にはお勧めできない作品の2種類だ。ここらへんに<SF>というジャンルの特殊性というか、甘やかされた所がある。

    アーサー・C・クラークの作品は果たしてどちらだろうか。これはなかなか難しい。うーむ、ほんと、実際の所どっちだ?

    この「遥かなる地球の歌」に関して言えば、SFファン以外にお勧めしても、失敗する事はないだろう。そういう作品。

    クラークの本については、書評しても仕方ないんだよなあ。私はホームページに書いているように、書評というのは本を買うための判断基準となるものだと思っている。そういう面で考えると、クラークの本の場合、誉めようが貶そうが買う人はどうせ買っちゃうでしょ。

    で、結局こうなる。
    クラーク・ファン→買うべし。
    クラーク・ファン以外の人→読むべし。

    【余談】:そうそう、忘れてたんだけど、最後に「シンイチ・セイケ」という名前が見える。これ、ひょっとして、宇和島市在住の、あの清家さんの事?
    うーむ…。


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  • カリストの脅威 アシモフ初期作品集1
    アイザック・アシモフ著、早川書房、620円)
  • アシモフ最初期の短編集。それぞれの作品の間には彼自身による解説(というより自伝的な回顧録)が挟まれ、そちらも大いに楽しめる。

    昔懐かしい雰囲気の漂う作品と、当時売り込みに苦労するアシモフの姿が楽しめる、そういう意味ではお得な作品集。ボクは楽しく読んだ。収録されている最初期の作品の中には、後の長編作品群に見られるアシモフらしさが既にかいま見えるものもあり、興味深い。


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