98年4月SF Book Review



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  • 地球最後の日
    (フィリップ・ワイリー&エドウィン・バーマー、佐藤龍雄訳 東京創元社、620円)
  • 地球に迫りつつある天体が発見された。この天体は放浪惑星で、連星だった。そのうち大きい方は地球に衝突し、破壊する。だが小さな方は人類の新たな故郷となるかもしれない…。斯くして科学者達の人類最後の事業が始まった!

    こんなストーリーを、小学校の図書館の片隅で読んだことがある人は多いはずだ。本書はジュヴナイルで(その手の人には)お馴染みの本。これが初の完訳版だそうである。

    ストーリーの出来とかは、いまさら言ったって仕方ない。なつかしながら読むのが正しい読書作法でしょう。なにせ本書は1932,33年の著作なのだ。「SFとは、つまるところ、極言すれば『1冊ごとに1回』世界がほろびる物語、といってもいい」といったのは中島梓だが(『道化師と神』より)、本書を嚆矢とするテーマほど露骨に世界が滅びる物語もないだろう。

    なんでもスピルバーグがクラーク『神の鉄槌』と一緒にストーリーを混ぜて映画化するとか。映画のストーリーはほとんどオリジナルに近いもののようだから、本書を邦訳して出したのは出版社のこじつけみたいなもんだろう。だが、こうして本書が読めるのもそのおかげなんだから、感謝したい。


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