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「つまらなかったら貶すかもしれませんよ」と断っているにも関わらず、 僕に本を送ってくれる奇特な方々がいらっしゃいます。 ところが最近は貶すどころかレビューすらサボリ気味。 取りあえずご恵贈御礼書店を作り、おこたえすることにしました。 |
(この本は立花隆にとってサイエンス系に仕事をシフトしはじめた頃に出た本で、分からないことが多かったがバンバン何でも質問した、という下りを受けて)で、だからこそ、その「ずれ」を丁寧に解説しないとダメだという話。ハミルトニアンが常識中の常識かどうかはおいといて(生物系の人だと知らないのでは?)、いやー、なんかそのときの様子がありありと頭に浮かんできて……面白いのは僕みたいな奴だけかも。しかし、その米沢さんも、しばしば私の質問に唖然として、口をつぐむことがあった。
たとえばこの本の中でも何度か出てくることだが、結局自然のプロセスというものはエネルギー的にいちばん楽な安定したところに落ち着くように進行する(最小作用の原理)という話のところで、米沢さんが、「ここでハミルトニアンを取ると……」
と説明をはじめた。
「ハミルトニアンて何ですか?」
と私が質問すると一瞬、「ハミルトニアンも知らないのか」と意表をつかれた顔をしたが、
「演算子です」
と軽く答えた。しかし、その答えもわからない。
「演算子て何ですか?」
とさらに質問を重ねると、さらに意表をつかれた表情とともに、ハーッとタメ息を発し、
「あーそうか、そこから説明しなければいけないのね」
とやっと合点がいったようにいってから、ちがう説明をはじめた。
この話を聞いて、読者が理科系の人なら、米沢さんと同じように、えっ、ハミルトニアンも、演算子もわからないのか(理系の人にとっては常識中の常識)、と思うだろうし、文化系の人なら、私と同じように、そんなもの聞いたこともありませんと思うだろう。理系の人の常識と文系の人の常識は、それくらいずれているのである。