日本のネットが、文字どおり「網」になる日は来るのだろうか?日本のインターネットは、ネットと言うよりはツリー構造になってしまっている。これはユーザー皆が懸念するところである。つまり、本来コンピュータが網の目状に繋がるのが理想なのだが、実際には東京に一極集中して、全てそこからぶら下がっているのである。
「インターネットは災害に強い」というのが、メディアとしてのインターネットの宣伝文句の一つなのだが、実際は全くそんなことはないわけである。もし、東京に大震災が起きてしまったら、日本のインターネット網は壊滅に近い状況に追い込まれるだろう。地方のインターネット・プロバイダー達もその辺りを懸念して、既に行動を起こしていると聞く。本来のネット状のつながりを持たせようと、地方は地方どおしで接続していこう、という計画がいくつかあるという。
彼らが行動を起こしている理由には、これらの問題は災害時だけの問題ではない、ということがある。ローカルから同じローカルのサイトへメールを送ったりウェブを見たりするのに、わざわざ東京を経由していることも多いのだ。まさに現実の交通問題──どんな荷物や情報も東京を一度経由している──と同じことが、ネットで発生しているわけである。
また、これは国内だけの問題ではない。国内から国内のサイトへアクセスする際に、一度アメリカを経由しなければならないサイトも多いのである。増大するトラフィックを少しでも減らすには、こういう無駄を削って行くしか方法がない。
この「ツリー化」の問題は、「ネットによって地方と東京の格差は縮んでいく」という「幻想」の現れの一つであるように思える。結局は、「東京から」なのだ、悲しいことだが。地方発のネットがらみのイベントや各種の具体的構想の話も増えてきたが、どれも「パッとしない」。
何がどうなれば、中心というモノがない「ネット」が生まれるのだろうか。我々が考えていくしかないのだが、難問である。
(森山 和道/TVディレクター/moriyama@moriyama.com/http://www.moriyama.com)