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新刊
(月〜金更新)
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「つまらなかったら貶すかもしれませんよ」と断っているにも関わらず、僕に本を送ってくれる奇特な方々がいらっしゃいます。ところが最近は貶すどころかレビューすらサボリ気味。取りあえずご恵贈御礼書店を作り、おこたえすることにしました。

04年1月 diary

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 moriyama.com 科学系DVD 2003 冬
 携帯メルマガ科学書新刊NEWSほぼ連日発行中!

  • 04.01.31 
  • ▼ROBO-ONEへ。今回は、上位を占めていた人たちが一斉にマシンを作り直したりしているので、ちょっと微妙な感じ。九大チームのいきなりの側転!にはびっくりしたし、中村さんとか坂本さんとか、ロボットも凄いが抜群にデモもうまい前田さんとか(僕の主観では観客が一番沸いていた)、やっぱり強そうな人たちのは強そうなのだが。明日がどうなるか。なお今回僕はPC Watchです。
    ▼家に帰って写真を確認してみると、なんだか色が赤いなあ。どうもこの手の色合いだとFZシリーズのオートホワイトバランスは危険らしい。明日はホワイトバランスをきっちり取らないと。
    ▼それと、ヒューマノイド・リーグと非ヒューマノイド・リーグを分けちゃえば?と思ったのは僕だけでしょうか。
    ▼予選順位は、1位:OmniStriker、2位:Metalic Fighter、3位:ヨコヅナグレート不知火、4位:バーニング・スター、5位:2325-RX。
    ▼池袋をブラブラ、というよりフラフラして、帰宅。
    ▼メシ屋でぱらぱら見た新聞では、昨日の200億円判決に批判的な人が多いようだ。まあそのほうが識者っぽく見えるってことなのかな。読売では隅藏さんがコメントしていた。
    ▼小人物の僕には200億円がどのくらいの金額なのか良く分からない。で、『あの金で何が買えたか』(村上龍)などを引っ張り出して見る。ふーむ。
    ▼読売。火星探査車、途絶していたデータ送信再開
    ▼日経。新幹線車内で硫酸こぼす――乗客らが避難。なぜ硫酸を?
    ▼最悪の一ヶ月だった。
    MY Fotolog
    ▼【ポピュラー・サイエンス・ノード】本日現在購読申込者数:9,079。
    ▼【ネットサイエンス・インタビュー・メール】本日現在購読申込者数:21,720。


  • 04.01.30 
  • ▼赤坂と大手町にて打ち合わせ。
    ▼日経。青色LED訴訟、日亜化学は中村教授へ200億円支払いを。毎日:発明の対価200億円支払い命じる 東京地裁 青色LED訴訟。特許権そのものは日亜にあるが、発明対価がこの金額に(実際の発明対価は604億円とされた。)。すごすぎる。もし弁理士への謝礼が1%でも2億。実際には○割くらいか? とにかくすげーよ。判決文はこちら
    ▼これから色んな面で大変になるだろうなあ。もともと2万円しか出さなかったせいなんだろうけど、日亜も数億のカネを投資してるわけで、それは当時の日亜にとってはかなりの賭けだったはず。
    ▼朝日。「子供たちが科学に夢もてる」 青色LED訴訟の原告 。そう言えば、この人も愛媛出身か。K1の石井館長と言い、この人と言い、愛媛県人って縄文人顔だよなー。もちろんオレもそうなのだが。縄文顔の研究者は、面白い人が多いような気がするよ。
    ▼以前も書いたと思うけど、中村氏も最初からいまみたいな感じでなかったことは、『挑戦 開発者だけが知っていた苦悩と葛藤の舞台裏』(日経エレクトロニクス/日経BP、品切れ)に収録されたインタビューから伺える。このインタビュー記事は開発者達の気持ちと技術の説明が非常にうまくバランスしているのだが最後は以下のように結ばれている。
     すべてが順調に進み始めた。学会では認められず、それでも成功を信じて研究に打ち込んだ。それが見事に実を結んだ。これを期に、事態は一転する。学会からはひっきりなしに、講演の依頼が飛び込む。研究室にこもる日々から、講演に飛びまわる生活へと変わった。

     研究の環境も大きく変わった。青色発光ダイオードの量産、そして青色半導体レーザの開発に携わる人材が、日増しに増えていく。こうなると、自ずから仕事の内容は、研究員からマネジャとしての比重を増してくる。「何でも自分でやりたい性格だから、少し寂しい」と言いつつも、頼もしくなってきた若い技術者の成長ぶりに目を細める。

    「でもいちばん変わったのは、周りから認められるようになったことですかねぇ。発光ダイオードができて、ようやく光るようになっても、周りは信じてなかったようですわ。またカネばかり使って、ほんまにできとるんか、ほんまに儲かるんか、ゆうてね。それが変わった。少しは尊敬されてるみたいです」。そう言って中村氏は、はにかむように笑ってみせた。

    ▼このインタビューは、95年に行われたものである。
    ▼このインタビューに収められている写真もまた、他の記事に載っている中村氏とは違った表情をしていて、今となっては貴重な一時代を切り取っている感じがする。たぶん撮影したときには「固いなあ、もっと笑ってほしいなあ」と思っただろうけど、その固さが、そのまま歴史の証人になっている。記録というのはそんなもので、時間が経つと意味が変わってくることがある。だから、できるだけ記録しておいたほうがいいのだ。
    ▼新刊。

    ▼読売。アルツハイマー病、遺伝子治療で抑制
    ▼AstroArts。 ばら星雲内部の若い星の姿があらわに、非対称ジェットも存在か?
    ▼ITmedia。カーエレクロトニクス分野に見る“質の変化”
    ▼INTERNET Watch。RFIDによるレジ一括精算、実用化のネックはポテトチップス
    ▼PC VIEW。携帯サイトの構築の苦悩(第2回)。あんまり面白くないな。でもいちおう。
    ▼毎日。公的個人認証制度、ウィンドウズのみ マックはだめ
    ▼こういうこと言うとまた嫌われるのかもしれないけど、福岡の話には「アホか」としか思えない。個人でそういうことやるのならば、そのバカパワーに感動するけど、街づくりってのはもうちょっと腹くくって、本気で考えるものでしょう。ハウステンボスでさえ駄目だったんだからさー。巨大ロボットとかアホなことばっかり言ってないで、いい加減に目を覚ませば?
    「イノセンス」スチール集3。バトーと犬。犬は、バトーの心理の投影なのだろうか。いや、押井演出だと、そういうじめっぽい役回りではないか。
    ▼ところで以前から不思議に思っているのだが、検索業務を担う「イシカワ」は、どんな電脳化を受けているのだろうか。
    ▼【ポピュラー・サイエンス・ノード】本日現在購読申込者数:9,071。
    ▼【ネットサイエンス・インタビュー・メール】本日現在購読申込者数:21,710。母体であるネットサイエンスのサイトがリニューアルした。



  • 04.01.29 
  • ▼ドゥーガル・ディクソンの『フューチャー・イズ・ワイルド』が今頃になって売れ始めているらしい。別に遅すぎはしないのだけど、それにしても他のジャンルの本に比べると明らかに売れるまでにタイムラグがある。このタイムラグは何なのだろうか。
    ▼『クラカトアの大噴火』では、前半はプレートテクトニクス以前の話が展開される。こんな記述がある。
     科学界にとっては、信じられないほど興奮に満ちた時代だった。同時に、奇妙な時代でもあった。というのは、地質学者たちはまもなく研究の進め方が逆だったことに気づき始めたからだ。それはまるで、昆虫学者がハチの研究をするのに、一匹の虫としてその全身を見るのではなく、腹部に生えた黄色い体毛の繊細な構造を観察することから始めたようなものだった。あるいは植物学者がカシの木の研究をするのに、まず電子顕微鏡を使ってどんぐりの断面を見るようなものだった。もちろん、すべては地球という研究対象に比べて人間があまりにも小さかったことに起因する。しかし、じつはプレートテクトニクスが誕生したときに誰もが気づいたのだ。地質学はそれまでの二〇〇〇年、主要な科学として砂岩やら片麻岩やら地溝やらアンモナイトやらを詳細に研究してきたが、一歩下がって地球を巨視的に長め、それから詳細の研究を始めるという、研究対象が人間より小さい科学ではたいてい行われていることができていなかった、と。

     プレートテクトニクスは、地球をまとまりある一個の存在として捉え、その視点で観察するための知的メカニズムを、初めてもたらしてくれた。プレートテクトニクスがまったく新しい科学として誕生したころ、ちょうどうまい具合に、地球全体を一個の存在として眺められる人工衛星が開発されたことは、控え目に見ても思いがけぬ幸運だった。つまりこの結果、地質学者は初めて正しい視点からものを見ることができるようになったとも言える。(128ページ)

    ▼この本では同時にダーウィンやウォーレスの話にも触れられているのだが、同様なことは、進化論登場以前の生物学にも言えるだろう。進化論が登場し、時間軸という視点を通して見ることで、生物は初めて統一的に理解できるようになった。
    ▼だが「研究の進め方が逆だった」というのはちょっと違うと思う。当時の研究者たちは確かにそう考えるようになっていたかもしれないが、実際には、生物学にしろ地質学にしろ、地道な知見の集積があったからこそ原理が登場しえたのだ。
    ▼いっぽう脳科学は、おそらく、まだ生物学における進化論や、地質学におけるプレートテクトニクスみたいな視点を手に入れてない。いまはきっと「砂岩やら片麻岩やら地溝やらアンモナイトやらを詳細に研究」している段階なのだろう。だが、もし「その視点」が手に入ってしまったら、いま博物学的に集められている様々な知見は、一気に繋がって見えるようになるに違いない。地質学が、プレートテクトニクスを手に入れた結果、砂岩や片麻岩や大地溝がどのようにして作られるのか、一気に理解できるようになったように。
    ▼JST。分子モーターを人為的に回転させてATPを合成することに世界で初めて成功。以前、98年にやった木下一彦先生へのインタビュー・メールで「手回しでATPを作る」といっていたのを、ようやく成功した人が登場。
    ▼力学的に分子をガツガツと動かすことで化学反応を起こしてしまったわけだ。つまり、模型のボールと模型のボールを組み合わせてATPを作ったようなものだ。リリースを見れば分かるように、人間はかなり大がかりな機械を使ってそれをやったわけだが、生体は苦もなく分子機械を動かしている。しかも大量に、制御して。改めて今回の成果と生体の素晴らしさを思う。
    ▼Nature BioNews。遺伝学 :ミツバチのゲノム配列が解読された ダニに強い新種の作出、老化や行動の解明につなげる
    ▼Nature BioNews。脳 :問題になるのは「サイズ」 性衝動の強さは扁桃体の大きさに比例する? 
    ▼読売。「有人宇宙飛行」目指す…政府、宇宙開発政策を見直し。ほほう。
    ▼ShopBiz。国交省・札幌市が実験、交通機関用ICカード――香港など2都市と共通。アジア共通ICカード構想は順調に進んでいるようだ。
    ▼RFIDテクノロジ。市販の書籍にタグを付けた理由(第3回)実世界がインターネットの延長になったら?
    ▼毎日。角川がアスキーを買収 IT分野に進出。エンターブレインも一緒に買収。売ったほうのユニゾン・キャピタルのリリース
    ▼ZAKZAK。米アマゾン・コム、95年創業以来の初の年間黒字 「ドットコム」企業にやっと“春”。日本はどうなのかな。
    ▼昨日のアフィリエイトの件にもうちょっと追加。なぜ普通のサイトでは難しいか。訪問者数に対する平均購買者数が1%だったとする。100人に対して一人でも1%、10,000人に対して100人でも1%。どちらも同じ1%だ。だが、この間には大きな違いがある。
    ▼単に利益が50円から5,000円になるといった金額面の違いだけではない。訪問者に対する購買者数の絶対数が大きくなると、商品リンクに対する空振り率が変わってくるのである。これがモチベーションや売り上げの安定その他もろもろに大きく関わってくる。
    ▼さらに、ウェブならではの特徴がある。あちこちで話題になるかどうかという問題だ。100のウェブサイトの中で1つのサイトしか取り上げてない本と、10,000のサイトの中で100のサイトが取り上げている本。どちらが話題になっているように見えるか。単なるサンプル母数の問題ではない。100人の集団の中で一人だけ右を向いていてもそれは無視されてしまうが、1,000人の集団の中で10人が反応していると無視できなくなってくる。10,000人のなかの100人なら尚更だ。パーセントでは同じであっても、集団規模が大きくなってくると、意味が変わってくるのである。で、売れるサイトはますます売れるようになる。
    ▼が、もともとアクセス数の少ないサイトはやっぱり売れないわけで、アフィリエイトはむしろ、ネット上のでポイントカードサービスだと思って使ったほうが良いと思う。当たり前の話ですみません。
    ▼毎日。NTTコムと楽天がポイント交換で連携
    ▼毎日。電子書籍で郷土コンテンツ配信実験を開始 イーブック
    ▼毎日。公的個人認証スタート 電子政府の基盤整う プライバシー保護などに課題も残る
    ▼毎日。発明の対価 元研究員に過去最高1億6300万円 東京高裁判決
    ▼毎日。寿命、アルカリ乾電池の1.5倍 松下電器
    ▼HotWIRED。超高エネルギー宇宙線の解明に乗り出す日米の科学者
    ▼HotWIRED。仮想通貨の為替市場サイトで現実世界の金儲け。面白すぎる。やっぱり新しい潮流はゲームの世界から始まるのだなあ。
    ▼HotWIRED。高周波で皮膚のたるみを解消
    ▼HotWIRED。パトカーからブロードバンドで通信する警察無線LAN
    ▼INTERNET Watch。teacup、無料で出店できるショッピングモールを開設
    ▼INTERNET Watch。松下、電子ブック「ΣBook」を書店・ネットで発売
    ▼ITmedia。救急車でもブロードバンド? CRLが救急医療での画像転送技術を実験
    ▼日本工業新聞。衛星写真で地震被害を即座に把握、東工大など新技術
    ▼『教科書が教えない歴史有名人の子孫たち』(新人物往来社/新人物往来社)。柿本人麻呂から岩倉具視まで。
    ▼『巨乳バカ一代 胸の谷間から見た野田流成功法則70』(野田義治/日本文芸社)。イエローキャブ社長の本。
    はてなに携帯版があることを初めて知る。
    ▼シンポジウム・次世代カーエレクトロニクスとキーデバイス徹底検証 ―― 42V電源系デバイス・ITS対応デバイス・LCD・LSI・市場展望 ――。高い。
    ▼アマゾンのホーム&キッチンストアに行くと、なぜかタニタの内臓脂肪計つき体重計をオススメされた。確かにぴったりだとは思うけど。
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  • 04.01.28 
  • ▼『イノセンス』を先行で見て六本木ヒルズから夜景と日の出を見る会のチケットにキャンセル出たとか。買おうかと思ったけど、やめた。
    ▼今日はしっかり起きて−−、というかあまり寝ないまま、本厚木へ。いつ行っても思うのだが、遠い。NTTの研究所へ。コミュニケーション科学基礎研究所 人間情報研究部 感覚運動研究グループの柏野牧夫氏にインタビュー。知覚、特に聴覚の話。インタビュー・メール用。想定とはちょっと違った感じになったが、これもまたよし。
    イリュージョン・フォーラムもついでにリンクしておく。有名だけど。
    ▼どうもデジカメ用のバッテリーがヘタってきたようなので新しいのを一個買う。これでROBO-ONEの取材もきっと大丈夫。
    ▼帰宅すると昨日の記事にいろいろと細かいミスが。とほほ。慌てて直してもらう。大枠としては良かったらしいのが救い。ヤマハのサイトのほうからもリンクしてくれるらしい。
    ▼本をいろいろと読んでいるのだが、読めば読むほどまとまらなくなってくる。こりゃいかん。読むことがまずいのではなく、読み方が間違っているのだろう。やっぱり一冊ずつちゃんと読んで、ちゃんとじゃなくてもいいからメモを一個一個取っていくべきなのだろう。僕の場合は研究者と違って、新しい研究をするわけでもないし、研究計画を立てるわけでもない。考えることそのものが面白いでしょ、と言えれば、きっとそれで良いのだ。と、開き直り。
    ▼でも今はまず、日銭を稼ぐための読書をしなければ。月末は仕方なし。
    ▼そういえば『この痛みから解放されたい ペインクリニックの現場から』(フランク・ヴァートシック・ジュニア/草思社)にはやっぱり幻肢痛がトピックスとして含まれていた。「有痛性知覚麻痺」−−この本の著者は実際の臨床医で、いろいろな痛みに苦しむ患者を診ているようだ。ラマチャンドランの書き方とはまた違っていて面白い。
     ……腕の機能の喪失もさることながら、さらにやっかいなのは痛みだった−−絶え間のない焼けるような痛みのせいで、リッチは腕を鉈で切り落としたいという衝動にかられるようになった。神経遮断後疼痛の患者の大半は、幻肢痛を“焼けるような”とか“熱い”と表現するが、なかにはもっと鋭く断続的な、電気ショックに似た痛みを訴える場合もある。リッチはけっして自分の痛みを言葉にできなかった。言語では自分の感じているものをとても伝えきれない、と彼は言った。(60-61ページ)
    「リッチ」という人物は麻酔医だったが、バイク事故を起こして片腕が使い物にならなくなってしまったのだ。麻酔医らしく、彼は麻酔薬に頼ろうとする。だが……
    効果の短い錠剤から、長時間作用するモルヒネ製剤、はては局所的なフェンタニルのパッチまで、ありとあらゆるものを。薬は多少助けにはなったが、とうてい万事解決とはいかなかった。薬は痛みのためのものだが、自分の腕のなかのこの絶え間ない熱さは……そう、恐ろしいものだが、痛みとはまた違っていた。それはとにかく、いつでも感じられるのだ。食べるときもシャワーを浴びるときも、テレビを見ているときも、夜に起きてトイレに行くときでも、一刻たりと消えてくれない。明けても暮れても、彼の死んだ指は、腕という墓場のなかの不幸な幽霊のように泣きわめいていた。(64-65ページ)
    ▼最終的に彼は、脊髄の後根進入部(DREZ)と呼ばれる部分を破壊する手術を受けることで、痛みシグナルを送っていた侵害受容ニューロンの働きを止めた。DREZ破壊手術は大変危険で、一歩間違えば片腕どころか両足も麻痺してしまう可能性があった。だが彼はその手術を受けるか、自殺するかというところまで追い込まれていた。事故から16ヶ月後、手術のために開いた脊髄を見た著者は「難破船の残骸をはじめて見た海洋学者の気分になった」。
    通常なら大理石のようになめらかなはずのリッチの脊髄は、くぼみや瘢痕組織で傷だらけだった。切れてしぼんだ神経が何本か、古い出血で錆びた茶色に染まり、拍動する髄液のなかに枯れた海草のように浮かんでいた。(68ページ)
    ▼この本の著者はラマチャンドランとは違った立場を取っているわけだ。本にはこのほか、片頭痛、三叉神経痛、椎間板ヘルニア、出産、リウマチ、心臓発作、麻酔、末期ガン、痛覚欠如など全部で13のエッセイが収録されている。
    ▼幻肢痛の問題は、考え始めると色々とややこしい問題を含んでいる。なぜなら痛みの中枢が本当はどこなのか今ひとつ分かってないから。それはまたいずれ。
    ▼新刊。

    ▼『透視も念写も事実である』は、福来友吉の伝記みたいな本らしい。これはこれで面白そう。
    ▼『アフィリエイトではじめるホームページウハウハ副業生活』(松本光春/翔泳社)。ウハウハ?
    ▼普通のサイトでは、まず無理だと思うけどなあ。アクセスの多いエロか、クリック率が高いらしいケータイ系(着メロとか)か、どっちかじゃないと。
    ▼MYCOM PC WEB・レポート・インタラクティブ社会とコモンズ型社会基盤 (1)情報基盤技術と次世代メディアで社会問題をインタラクティブに解決する社会
    ▼ITPro。単価10円の無線ICタグが登場,日本のベンチャーが使い捨ての用途狙い3月出荷
    ▼IT Pro。IT業界もトヨタ流企業改革から始めてみては?
    ▼BizTech。マンションに虹彩認証入退室管理システムを導入。日本綜合地所。パナソニックのシステム。
    ▼Yahooはすぐニュースが消えてしまうのでリンクしたくないのだけど。道路と線路、両方走れます JR北海道が試験車開発。「デュアル・モード・ビークル(DMV)」
    MY Fotolog
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  • 04.01.27 
  • ▼定例会議。あまりにあっさり終わってしまったので、お茶など。夫婦がセックスレスになる過程などを聞く。はあそうですか。
    ▼PC Watch・森山和道の「ヒトと機械の境界面」音楽で広がる身体、コミュニケーション 〜ユビキタス・ミュージック〜。アップされました。機器の話から認知系の話、そして与太話まで、かなり色んな話題を詰め込んでみたのですが如何でしょうか。
    ▼INTERNET Watch。件名「hi」や「test」などの新種ウイルス「Mydoom」に注意  〜ノートパッドに意味不明な文字が現われたら感染の疑いが高い。しかも送信者アドレスを詐称する。なのにアラートを送信者アドレスに送る設定にしている人が多いらしく、ウイルスとあわせて大変なことになってます。勘弁して欲しい。
    ▼『ロッカーズ ノー クラッカーズ』(野田努/河出書房新社)から。
     会話がすぐに途切れてしまう人がいる、とくに最近はやたら多い。音楽の世界を例に挙げても、「だってオレ、Bボーイだから」、「えー、でも私、ハウスが好きだから」、「僕はやっぱニルヴァーナなんで」……エトセトラ。壮絶な勘違いや妄想だったとしても、創造的な聴き方と呼びうる、いや、せめてその契機を孕んだ意見でもない限り、いたたまれない沈黙が死の風を運ぶ。おそらくこんなことが音楽に限らずに各分野で、各出会いで繰り広げられている。自己同一性をどかーんと叩きつけられては、開かれたコミュニケーションなど不可能だ、そう思いたくても、しかし現実は自分を証明するモノで溢れている。人との会話だけではない。作品、要するに商品として流通しているもののなかにもある。Jラップのオレイズムもそのひとつで、そしてたとえその窒息しそうなほどの狭いボキャブラリーのなかで戦いが勃発したとしても、それが冗談の戦いであることは最低限の認識だ。生きているということが、そんな不自由さに規定されてしまうなんて……。(262ページ)
    ▼新刊。

    ▼読売。鳥インフルエンザ、人間の伝染病に変異の可能性警告
    ▼東京新聞。脳 ここまでわかった 知能 情報処理 速さに関係? 「理化学研究所・脳科学総合研究センターの山口陽子チームリーダー(計算論的神経科学)」。「海馬の動的神経機構を基礎とする状況依存的知能の設計原理」。どんな人?
    ▼脳の働きの一番不思議なところは、個別の経験・知識・情報を、多様な状況に対応できるものへと一般化させるところだと思う。個別から一般へ。そして一般から個別へ。脳の中でどんな形で情報が圧縮されているのかは分からないが、一般化できる形で圧縮され、個別へ対応できるような形で展開できる情報表現であることだけは確かだろう。
    ▼もう一つやっぱり大事だと思うのは、神経はもともと筋肉を制御する細胞だ、ということだ。神経細胞群は、筋肉を制御するための信号を送り出すために存在したし、いまも存在している。思考や感情が複雑だろうが単純だろうが、もともとは運動制御の役を担っていた細胞群から生み出されていることは間違いない。この両者の間のギャップ。それは大きいのか小さいのか。
    ▼東京新聞。ヒト『クローン胚』作成の是非 有用性か『道具化』か
    ▼読売。気象衛星「ひまわり」後継機、3月納入で米社と合意
    ▼読売。抗リウマチ剤「アラバ錠」で副作用?患者5人死亡
    ▼MYCOM PC Web。みなとみらい駅の地下コンコースに人に合わせて変化する大画面が登場みらいチューブ
    ▼IT Pro。このままでは全員「ゆでガエル」に−−野村総研が携帯電話業界に提言。野村総研の人って……。
    ▼CNET。日本の情報投資額、実はバブル期の1.5倍、そのうち9割が無駄
    ▼SHOPBIZ。ビットワレット、携帯メールで決済できる「モバイルエディ」を発表
    ▼MYCOM PC WEB。XMLの現在と今後
    ▼ITmedia。2008年、ZigBeeでSF的家庭生活が実現する?
    ▼ITmedia。Philips、電子ペーパーβ版の量産可能にリリース
    ▼AstroArts。初めて超新星の伴星を発見 ブラックホールの出現をリアルタイムで発見できる可能性も
    ▼AstroArts。NASAのX線望遠鏡チャンドラ、衝突銀河に「銀河の鉱脈」を発見
    ▼コニカミノルタ。新生プラネタリウム館「サンシャインスターライトドーム」(愛称:満天) コニカミノルタプラネタリウムによる運営内容決定について
    ▼日本工業新聞。ぼくもサッカー日本代表 新ユニフォーム発表会に「キュリオ」登場
    ▼毎日。紙幣ばらまき:元銀行員その後 ネット株取引のむなしさ消えず。まったく贅沢な。
    ▼読売。東京五輪も知らず洞穴生活43年…57歳男の半生。昨年流れたニュースの続報。誰か作家が取材して小説で表現して欲しいところだ。
    ▼【ポピュラー・サイエンス・ノード】本日現在購読申込者数:9,068。
    ▼【ネットサイエンス・インタビュー・メール】本日現在購読申込者数:21,708。



  • 04.01.26 曇り
  • ▼最近、目覚ましで全然起きられない。今日もまた起きるのに失敗。神保町で開かれた「人間の情報処理の理解とその応用に関する研究」に行くがデモはもう終わっていた。とほほ。
    ▼その足で今度は品川のコクヨホールで開かれた「文部科学省科学研究費特定領域研究「ゲノム」4領域成果公開シンポジウム−生命システムの理解をめざして−」に行く。いまいちだった。
    ▼それにしてもこういうのの「公開」っていうのはまさに有名無実だな。会場はガラガラ、おまけに「GUEST」の名札をぶらさげた人たちばかり。意味がない。研究者は基本的に一般人をバカにしてるし。
    ▼新刊。

    ▼JST。外国語習得も同じ「文法中枢」〜中1英語で双生児に相関〜
    ▼毎日[挑む]研究者たちの素顔/26。熊本大医学部教授・満屋裕明さん
    ▼ITmedia。Amazon.comで米大統領候補への献金が可能に
    ▼ITmedia。次世代ワールドホビーフェア東京大会開幕!
    ▼富士通。高濃度燃料で長時間駆動可能なマイクロ燃料電池を開発
    ▼HotWIRED。火星探査車『オポチュニティー』が着陸に成功、最初の画像が届く
    ▼HotWIRED。3Dで顔を計測するバイオメトリクス人相認識
    ▼ITmedia。食品物流RFIDタグ実証実験は順調 NTTデータらが結果を公表
    ▼BB Watch。BIGLOBE、7話打ち切りとなった幻のテレビ版「ゼブラーマン」特集サイト
    ▼BB Watch。NEC、宇宙空間のバーチャル浮遊体験などができる「e図鑑」サービス
    ▼毎日。置くだけでつながる低消費電力無線センサー端末を開発 三菱電機
    ▼毎日。ガンダムからコスプレまで 電子ムック「電太!」創刊
    ▼NIKKEI NET BizPlus。blogの普及から考える、支持されるWebサイトの条件。うーん。
    ▼日本工業新聞。「離島」ブーム到来 JTBの八丈島ツアーが超人気 。俺も空港でこのポスターを見たとき、「あ、行きたい」と思った。
    ▼『WATARIDORI』を見て僕が一番、ああ……、と思ったのは「ニルスの不思議な旅」を思い出したとかそういうことではなく「飛んでる時の鳥って、こんな顔してるんだなあ」ということだった。あの映画見た人はみんな感じたと思うのだけど、下から見ると優雅に見える鳥たちも、あの映画のなかでは(つまり近くから見ると)なんだかものすごく一生懸命で、ほんと目一杯力づくで飛んでいて、その様子がなんだか切ないというか、けなげというか、たくましいというか、何だか感じるところがあったのだった。彼らの目的は、ただ生き延びること。生きること。なんのために生きるのか、とかそんなことは考えない。ただ生きる。生きてゆく。生き延びることそれ自体が目的なのだ。当たり前だが生物っていうのは本来そういうもので、なんていえばいいのか良く分からないが、そういうことが、あのナレーションもほとんどない映画を見ていると自然に感じられてくるのだった。
    未踏15シンポジウム@国際フォーラム。2/14、15日。スケジュール
    ▼メモ。マイサイト。XOOPSを使ってる。レスポンスが重たいのが気になるが、自分でゴチャゴチャ設定しないでもいいらしい。
    ▼【ポピュラー・サイエンス・ノード】本日現在購読申込者数:9,075。
    ▼【ネットサイエンス・インタビュー・メール】本日現在購読申込者数:21,704。



  • 04.01.25 曇り
  • ▼目覚ましでいったん起床するも、そのまま沈没。というわけでROBO-ONE Jr.観戦は失敗。こりゃ到着した頃には終わってるな、という時間だった。未来館はやっぱり遠い。
    ▼仕方ないのでビックカメラに行って、なぜかなくなってしまったシェーバーを買ったり、課題図書を読んだりして過ごした。ヤマハの原稿もようやく書いた。近々にアップされると思います。
    ロボマガの竹西編集長からのメールによればROBO-ONE Jr.はかなり面白かったらしい。優勝は「ありまろ」とのこと。
    ▼ところで『砂の器』のロケはどうもあの周辺でやってるみたいですね。僕が以前Fotologに上げたことのある鉄のキリンが対岸に映っているところを見ると、たぶん船の科学館からもうちょっと先、大江戸温泉物語あたりの海岸沿いじゃないかと思うんだけど。
    ▼新刊。

    ▼CNN。NASAの「オポチュニティ」、火星着陸成功 映像も送信
    ▼読売。感染の不安ない人工血液、早・慶大などが開発。土田英俊・早大名誉教授らと、小林紘一・慶応大教授ら。
    ▼読売。ゲノム情報研究と医療のパイプ役…東大大学院に新専攻
    ▼読売。東大助教授が院生に暴力、懲戒検討。東大の「工学部助教授」。しかも「遅刻の罰金」として10万円取っていたそうだ。これってただのカツアゲじゃないの。なんで名前を出さないのだろうか。記事には「助教授のホームページなどによると、1990年に東大工学部を卒業し、92年に同大大学院の修士課程を修了。米国の大学院を経て、95年に東大工学部の講師、98年に助教授に就任していた」とあるので、大学側は記者に名前を出したのだろう。というわけで、東大工学部のウェブを見てみたが、人数多すぎ。
    ▼日経。NEC、ICタグ事業に本格参入
    ▼PC VIEW。なぜ認証に物理デバイス?
    ▼知ったかぶり週報(1/25)。「本を作ったり本を売ったりする仕事をしていて痛切に感じるのは『ああ、届いていないなぁ』ということだ」。そうですね。ここのフレーズにはほんとに同感。
    ▼スポニチアネックス。ハリウッド版「呪怨」日本で21億円ロケ。このニュースを見た瞬間、「ギブ・ミー・チョコレート」という言葉が浮かんだ。
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  • 04.01.24 
  • ▼科学系出版人ML新年会、という名前のこじんまりした飲み会。ペンギンのいる居酒屋に初めて行った。確かにペンギンがいた。なぜいるんだろう。
    ▼インタビュー・メールもやらせてもらって結構経つわけだが、もっともアクセスがあるのはどれか分かるだろうか。
    ▼一番アクセスがあるのは、当時、国立療養所 静岡東病院 てんかんセンターにいらした深尾憲二朗先生のインタビューだ。Yahooからもわざわざこのインタビューだけ切り出されてリンクされているくらいで、そのせいでますますアクセス数が多くなっている。
    ▼なぜこれに対するアクセスが多いのか。やっぱりニーズが切実だからだと思う。そして、深尾先生がどの質問に対しても極めて率直に、そして真摯に答えてくれているのが読者にも分かるからだと思う。医学・医療に関するこういうコンテンツが、もっと必要なのではないだろうか。医学の人はあまり「分からない」とは言いたがらないし、言ったとしても「(それは分からないから)考えても仕方ない」といった態度を取る先生が多いのだが。
    ▼自分で読み直してみても、このインタビューは面白い。ある意味、同じところをグルグル回っているような話の聴き方なのだが、やっぱり、「面白い」と感じる。脱線も含めて、面白い。僕が面白いと思っているのは、きっとこういう話、あるいはこういう「過程」なのだが、どのように今の自分の仕事に結びつければいいのだろうか。分からない。
    ▼少なくとも今回は「ドラマ」や「ストーリー」は書けそうにない。そこにこだわっていると、また全く書けなくなってしまいそうだ。すっぱり諦めて「今回は勘弁してください」ということにしてしまったほうが良いような気がしてきた。しかし、ならばサイエンスライターが書く意味はどこにあるんだろう……と思考がグルグル回ってしまったりする。
    ▼ところで時間感覚と温度の話。『脳と意識の地形図』(リタ・カーター/原書房)によれば、パーキンソン病になるとドーパミンが著しく減少するため、時間観念がずれるのだそうな。また、「被験者の頭にヘルメットをかぶせて加熱し、脳の温度を上げると、主観的時間が最大20パーセントも加速したという実験結果もある(この実験は倫理的理由で現在行うことはできない)」という。
    ▼なお『心理的時間』(北大路書房)146ページで紹介されているトピックスによれば、これと同様の実験は、ホグランドという研究者が、インフルエンザで高熱を寝込んだ奥さんを実験台にしてやっている。やはり体温が高いほど速く数を数えたという。
    ▼で、『脳と意識の地形図』ではふだん感じる「いま」はだいたい0.1秒くらいだとしている。僕が聞いている話だと、「いま」はだいたい0.03秒くらいだと聞いているのですけども。
    ▼どういうことかというと、たとえばコップが床に落ち、ガシャーンと割れた、とする。普通、コップが割れるという視覚刺激と、ガシャーンという音が聞こえる聴覚刺激とは同時の体験だと認識されている。だが、実際にはずれているはずである。光速のほうが音速よりも速いからだ。もっとも、視覚刺激のほうが処理時間が長いという可能性もあるのだが、ともかく両者の刺激は一つの事象として統合されて知覚されている。このズレがどの程度ズレなければ一つの事象として知覚されるのか、という色々な実験がある。どうも人間は、1/30秒くらいを「いま」として知覚しているらしい。
    ▼つい先日ヤマハの人から聞いたのもその一つ。たとえば電子ドラムのような電子楽器を叩くとする。ポンと叩くと、センサが叩かれたことを感知し、そこから処理が始まって、スピーカーから音が出る。ここに、ズレを作ってやる。ポンと叩いたあとに、ある時間遅れを間に挟んで音を出すように細工するのである。楽器は本来、操作すればすぐに音が出なければならない。そこで電子楽器を作っているヤマハとしては、どこまでの遅延ならば許されるのかを調べる必要があった、というわけである。
    ▼で、結果はどうだったかというと、遅延が30ミリ秒(0.03秒)以下であれば、人間は遅延が起きたことにすら気づかないという結果が出たのである。つい先日この論文を読ませてもらったときには予想された結果とはいえ、改めて驚いた。脳にとってはどうやら0.03秒が時間の「量子」であるらしい。で、心理学のもろもろの実験によれば、およそ3秒間を一つの単位としているという。
    ▼聴覚刺激と視覚刺激の統合の話には他にも面白い話がある。以前、産総研が「脳は音がどのくらいの早さで進んで来るか正確に知っている」というリリースを出したので、そちらをご覧頂きたい。東北大によるリリース(PDF)もある。簡単に言えば、脳は視覚と聴覚の時間差を埋めてしまう能力を持っており、40m以内で起きたことであれば、実際には音が遅れて聞こえても同時だと無理矢理認識してしまう、というものである。スラッシュドットでも話題になったので、覚えている人も多いと思う。音速から考えると理屈の上では、人間が「瞬間」だと知覚するのは10mかそこらの範囲に留まるはずである。だがそれ以上の距離でもやっぱり同時だと感じるということは、脳が時間の知覚に対して何やら細工をしていることを示唆する。
    ▼ちなみに、50m秒遅れがあると、人間はその遅れに気づくそうだ。オーケストラの演奏をしている人たちは、微妙な音の遅れを(無意識に)知覚しているとかなんとかいう話もあるらしい。このへんになるとどうだか分からないが、非常に面白い話だと思うのだけどどうだろうか。
    ▼このへんは、面白い本があるならば僕も読んでみたいのだけど。なんか、すっきりした感じの本がないかな。
    ▼なお、一日のような長い周期の時間と、「瞬間」のようなごく短い時間処理のシステムは、たぶん別ではないかと考えられているようだ、ということを念のため書いておく。
    ▼時間といえば誰もが気になるのが、主観的時間の伸び縮みだと思う。心理的時間は明らかに速く感じたり長く感じたりする。この問題は「時間評価」と呼ばれている。ところが、分かっているのは、時間に対して注意を向けているかいないかによって主観的時間が伸び縮みするというあまりにも当たり前の話でしかなく、これだというものがない。あるなら教えてもらいたい。
    ▼BizTech。アムニオッテク、千寿製薬と眼科領域の再生医療で提携
    ▼AstroArts。ハッブルが天王星と海王星を色鮮やかに捉えた
    ▼オブジェクトの広場・OOエンジニアの輪! 〜 第 25 回 結城 浩さんの巻 〜
    ▼INTERNET Watch。東京都、住基カードを利用した電子証明書を都民向けに29日提供開始
    ▼KDDI。EZwebコンテンツ「とほナビ」で音声住所入力を実現。音声入力時代が到来か。
    ▼やるべきなのかどうかは分からないけど、ITmediaのこういう記事を見ていると、何でもやったほうが良いんじゃないでしょうかね。結局のところ「広告商売」というものはサイトにアクセスを集めてなんぼであって、記事の内容がどんなものであろうとあまり関係ない、ということがITmediaの一連のネタには現れているような(笑)。
    ▼『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX 虚夢回路』(藤咲 淳一/徳間デュアル文庫)。小説。ちょっと興味を惹かれる。
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  • 04.01.23 
  • ▼深夜に『Jam Films』をやっていたので見る。これ、劇場で見て面白かったのかな。見終わったあと、ARITAをgoogleってみたことは言うまでもない。
    ▼モチベーションが上がらなかったので、慶応に行くのはやめにした。が、家にいると煮詰まるので、早めに外出。本を読んだ。
    ▼慶応ではないがやっぱり三田のNEC本社にて、音声認識トラベル通訳端末を取材。数年前にも取材したことがあるのだが(検索したところ2000年の1月らしい)、それとはずいぶん違う認識速度・精度に、編集者と二人で「おお〜」とバカみたいにリエゾン。
    ▼ただし、商品としては微妙かな。そこはどういう人に、どういうシチュエーションで使ってもらうか、というビジネスモデル・デザインの問題になるな、と思った。普通の会話を普通に翻訳してくれるわけではないので。NECとしてもそこを模索中らしい。外見も実際の商品は全く違うものになる可能性がある。高速化に関する技術的ポイントについては、ほとんど教えてもらえなかった。
    ▼全然関係ないが、NECの地上36階から見た夜景は凄かった。デートスポット並。
    「身体イメージ」で自分のサイトを検索すると、AIBOを取材したときの日記が引っかかった。これ、初代のAIBOが売り出された直後の話ですね。この取材って記事になったんだっけ。覚えてない。なおソースを見てもらえれば分かりますが、僕の日記には全てアンカーが打ち込まれてるので、特定の日にリンクを張ることができます。
    ▼同じ月にもう一つ、なぜか「エピソード1」のヨーダの言葉が引用されていた。もう一度引用しておこう。
    "Fear is the path to the Dark Side.
    Fear leads to anger, anger leads to hate.
    Hate leads to suffering."
    ▼いま読み直すと、当時の僕はやる気まんまんだったように見える。でも基本的な問題意識は今とほとんど変わらないみたいだ。ライターとしての問題意識も、サイエンス面での興味も。たとえば犬の自己意識問題とか。
    ▼読売。夜の「10秒」朝は「9秒」に、時間感覚を実験で確認。国立精神・神経センターの内山真・精神生理部長と栗山健一研究員ら。「午前7時には、平均12・3秒だった「10秒」は、時間とともに徐々に短くなって、午後9時には平均11・3秒になり、約1割の差が生じた」。「連続して実験を続けると、朝になるにつれて、「10秒」の長さは再び長くなり、ほぼ24時間周期で時間の感じ方が変化することが分かった」。同じ読売でもこちらでは別の見出し。「朝は忙しい」実験で確認。こっちのほうが直感的で見出しとしては上かも。
    ▼この発表を読んでないのだけど、やっぱり体温と関係があるのだろうか? 最近細かい分子メカニズムが解明されてきた体内時計だが(興味がある方には『生物時計の分子生物学』(シュプリンガー・フェアラーク東京)をお薦めする。1999年刊行なのでちょっと古いけど)、化学反応で維持されているのに、なぜか時間補償されている点が謎とされている。だが、やっぱり補償には限界があって、体温の影響を受けているのでは?と考えるのがまず普通だと思うのだけど、そのへんのデータはどうなんだろう。もちろん、体内時計を作っている分子の量が増減する(そして多分睡眠中にリセットされる)という点もあるとは思うのだけど。詳しい話が知りたいな。記事で触れられている主観的な感じ方の件は、また別のプロセスが関わっている可能性もあると思う。
    ▼読売。輸血安全対策に20億円、日赤が追加計上の方針
    ▼朝日。キレるネズミ「誕生」 独協医大教授ら、脳内分泌を調整。独協医科大学の上田秀一教授(解剖学)ら。ドーパミンの分泌が増して、ノルアドレナリンとセロトニンの分泌を減らすと行動異常が起きた、という。それだけ聞くと当たり前のような気が……。
    ▼ふと思ったのだが、「やけを起こす」という行動は、通常、失望のあとに起こるものだろう。たぶん、強い失望状態になったときにはノルアドレナリンがばーばーと出ているだろう。その結果、血圧や心拍数が高くなり、特定の物事に集中すると同時に妙に積極性が高く、痛みも感じにくくなる。おまけに過剰なまでの不安な状態が引き起こされ、敵にあったときの緊急反応が起きやすくなる。で、普段はもめ事起こさないような人でも喧嘩しちゃったりするんだろうか。もしそうだとすれば、まさにヨーダは正しいことを言っている。
    ▼でもこんなアホみたいなメカニズムだけで人間が動いているとはあんまり思いたくないな。というか、こういうメカニズムが頭の中では理解できていても、それをコントロールできないっていうのは何だかな、と思う。スマートドラッグとかに頼ろうとする人たちの気持ちもちょっと分かるのだ。
    ▼AstroArts。超音速で荒れ狂うペテルギウスの巨大な彩層
    ▼ITmedia。新生サンシャインプラネ「満天」は3月20日オープン
    ▼GAME Watch。矢野経済研究所「玩具産業白書 2004」を発表 〜出荷額ベースの市場規模予測は前年比8.5%減〜
    ▼イクシスリサーチ。小型人型ロボット組み立てキットを10万円台で販売。なんか曖昧なリリースで、イマイチ良く分からないんですけど。
    ▼ITmedia。堕ちたIPモバイル電話――JMネットの“闇”
    ▼毎日。3次元CG動画で服の試着や化粧できるシミュレーション開発へ 東芝
    ▼INTERNET Watch。マルエツでのRFID実験、タグの一括読み取りなどに課題
    ▼INTERNET Watch。はてな、「はてなダイアリー」を書籍化できる有料サービスを開始はてなダイアリーブック。100ページだと1,950円、400ページだと4,350円だそうな。どうせなら販売サービスも一緒に始めれば良かったのに。
    ▼CNET。グーグルもこっそり「出会い系」--Orkut.com開始の裏にポータル帝国への野望orkut
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  • 04.01.22 
  • ▼結局慶応には行かなかった。明日行くかもしれない。
    ▼似たような広告しか表示しないなあと感じ始めたGoogle AdSense。だがインタビュー・メールのバックナンバーのいくつかに貼ってみたところ、思っていたより面白い広告を表示することが分かった。梶田秀司氏のインタビューに貼ると「二足歩行ロボット作りのヒント」なんて広告が表示されてびっくり。クリックしてみて二度びっくり(笑)。そのほか、水谷氏の場合だとナノテクだし、門脇氏大和氏など医療系の奴に貼るとやはりそれなりの広告を表示する。筋電計測だとか医薬品情報データベースだとか研究者向けの広告もけっこうあるようだ。ふ〜む。やっぱり中身も見てるのか。
    ▼Googleのクロールがきっちり終わっているかどうかが表示結果に影響するのかもしれない。またどこからリンク貼られているかによっても影響があるのかも。
    ▼もっとも、クリック率は1%以下、数でも一桁。クリック広告じゃやっぱり厳しいな。
    ▼こんなことしてるんじゃなくて真面目に仕事しろって各方面から言われそうだ。でもやる気しないときに書いた原稿なんてどうせ使い物にならないよ。
    ▼それにしても「自分が面白いと思っていること」って何だろう。自分で分かってないのに他人に指摘できるわけはないのだが。なんか、また書けないパターンに陥ってしまった感じ。
    ▼今度は北京ダック用アヒルが入手困難になるかもしれないというニュース。北京ダックなんて食わない貧乏人には関係ない話だが、「食べる」という行為はもともと危険をはらんだ行為だ、という当たり前の考え方が失われてしまっていることを感じる今日この頃である。メルマガにも書いたけど、安全と安心感は違う話だから仕方ないといえば仕方ないのだが。
    ▼早川書房から分厚い本が献本されてきた。『クラカトアの大噴火』。著者は『博士と狂人』のサイモン・ウィンチェスター。分厚い本には、ただそれだけで何だか魅力がある。
    ▼新刊。

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    ▼『脳の探検』は「新」と頭にうたわれている。「脳の本を何か一冊」と言われたら、僕はいつもこの本をお薦めすることにしている。読みやすく、ハンディであり、値段も安く、しかもあとで読み直すと再発見があるから。あ、でもこの新版になってえらく高くなってるな。上下合わせたら4000円じゃん。
    ▼『青春ロボコン』は映画の話。監督自ら執筆、しかも岩波ジュニア新書とは。謎。『これだけは読んでおきたい科学の10冊』は10冊書評しただけで一冊かあ。正直言って羨ましいというかなんというか……。池内了氏にしかできないわなー。
    ▼「日経サイエンス」3月号が来た(書店店頭に並ぶのはまだかも)。特集は「私たちはなぜ眠るのか」。これはこれで興味深いのだが、瀬名秀明氏による対談、今回は地球シミュレータの佐藤氏が登場。ここでデカルトについてふられている点が面白い。単に僕がいまちょっとデカルトに興味を持っているから、というのが理由なのだけど。瀬名氏はデカルトについての小説を書こうとしているそうだ。
    u-kiさんが叫んでいる無人惑星サヴァイヴ』を初めてオンエアで見ました。トカゲが、昔の出来の悪いオモチャみたいに真っ直ぐ泳いでるんですけど。
    ▼思うに、最近の演出家やアニメーターさんは、根本的にテレビを見る時間が少なすぎるんじゃないでしょうか。映像経験が貧弱すぎるっていうか。あるいは見てるけど何も見ていないのか。
    ▼テルモ。補助人工心臓の臨床試験をドイツでスタート 世界初の磁気浮上方式左心補助人工心臓の実用化を目指す
    ▼毎日。遺伝子組み換え 道、屋外栽培に規制 来春、条例施行へ−−指針に盛り
    ▼毎日[挑む]研究者たちの素顔/25 九州大大学院工学研究院教授・新海征治さん
    ▼AstroArts。天体物理の新しい扉を開く大発見、パルサー同士の連星
    ▼読売。国立がんセンターに「予防・検診」拠点がオープン
    ▼読売。米大統領、有人飛行計画に一切触れず…一般教書演説
    ▼毎日。住基ネット「総務省は長野県と合同実験を」 札幌市要請へ
    ▼ITmedia・盛大ネットワークに聞く。急成長する中国ネットゲームビジネス、その現状と今後(前編)中国オンラインゲームビジネスを支えるプリペイドカード(後編)
    ▼ITmedia。六本木ヒルズに「モバイルカメラ男」が登場?
    ▼ITmedia。日本テレコムとJR東日本の公衆無線LANが六本木ヒルズをカバー
    ▼Nature BioNews。脳 :多重人格になる理由 特定の脳領域が活性化して心的外傷が遮断される。意味不明なんですけど。
    ▼Nature BioNews。環境 :粒子状物質は脳に入る? 米研究者がラットで実験
    ▼Nature BioNews。医学 :アルツハイマー病の原因を特定? 犯人はアミロイドβタンパク質か
    ▼Applied Biossystems広告記事。"リボヌクレオーム" - 新しいRNAワールドへのアプローチ。東京大学大学院新領域創成科学研究科 講師 鈴木勉 先生
    ▼MYCOM PC Web。坂村教授、「RFID普及のカギがチップコストというのはあまりに短絡的」
    ▼INTERNET Watch。経済産業省、RFIDのプライバシー保護ガイドライン案を公表
    ▼HotWIRED。紙状電池を利用し、高性能で低価格なRFIDシステムを開発
    ▼HotWIRED。巨大バイオ企業を相手に最高裁で闘うカナダの農家
    ▼japan.internet.com。3分で理解する Blog (2)。今回はRSSについて。それにしても今のウェブのどこが「情報のインフレーション」なのだろう? ぜんぜん足らないと思うのだけど。
    ▼はてなキーワードに「胚盤胞移植」なんて言葉まで登録されていて驚く。
    ▼公開シンポジウム モデル昆虫としてのカイコ研究の過去、現在、未来 ―前胸腺刺激ホルモン検定系確立50周年記念― 。2/27日(金)、東京大学農学部弥生講堂一条ホール。いつも思うのだけど、こういうシンポジウムや講演って、ほとんどやりっぱなしだよね。なんでまとめないんだろうか。
    スター・ウォーズ特別展 サイエンス・アンド・アート。国立科学博物館、3/20日〜
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  • 04.01.21 
  • ▼6,000字の原稿を結論から遡って書いていく。こういう書き方したのは初めてだったのだが、何かを他人に説明する仕事の場合は、意外と良い方法なのかもしれない。「では、次は○○について述べる」といった感じの論文調になってしまうのが、あまり好みではないのだが。そういった書き方のほうが論理的だ、と思っている人も世の中にはいるから、これで良いのだろうか。
    ▼一人では考えられないので頑張らないといけない仕事の相談に乗ってもらう。問題はやはりストーリーが必要だ、ということ。そして、オタクとしてのアイデンティティにこだわったほうが良さそうだということだろうか。そうだよな。自分でも記事を書くときには意識して「物語」を書いてるからなあ。良く分かってるんだけどね。良く分かってるんだよ。たぶん、分かりすぎるくらい。
    「細胞工学」2004年2月号
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    ▼「細胞工学」2004年2月号。「展職」第7回はネイチャー・ジャパンのブーケ社長。なかなか興味深い話をしてもらったと思うのだけどどうでしょうか。特集は「転写制御と生活習慣病」。監修はインタビュー・メールにも登場してもらった門脇孝先生
    ▼AstroArts。超高速で家出してきた若い星
    ▼読売。胎盤共有児、2例は「胚盤胞移植」で妊娠
    ▼読売。安政江戸地震の震源の深さ80キロ?実は8キロ
    ▼日本工業新聞。アイピーコム、電力線使った独居高齢者監視システム
    ▼日本工業新聞。伊藤忠と日本バノック、洋服の値札にICタグを内蔵
    ▼日経。電子マネー「エディ」、決済で読み取り機不要に
    ▼毎日。電子書籍は読書を変えるか 専用端末相次ぎ発売へ
    ▼毎日・コラム。コンピューターが握る?命
    ▼HotWIRED。現実と仮想世界を融合させたモバイルゲーム
    ▼HotWIRED。『ゲームキューブ』用リナックス、配布開始
    ▼スポニチ。ホーキング博士に暴行か
    ▼慶應義塾大学 21世紀COEプログラム「次世代メディア・知的社会基盤」。インタラクティブ社会とコモンズ型社会基盤。1/22、23日。講演の様子はネットでも視聴できるが、デモも実施されるようだ。
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  • 04.01.20 
  • ▼トラブルでメールを消してしまいました。19日の夜から今日20日の昼頃にかけて僕にメールを送った方は再送して頂ければ幸いです。
    ▼新刊。

    ▼『「ダメ!」と言われてメガヒット 名作マンガの知られざる制作現場』(宇都宮滋一/東邦出版)が面白い。マンガマニアの人たちには当たり前の知識なのかもしれないけど。
    ▼朝日。余分な脂肪から幹細胞取り出し豊胸手術 東大病院実施へ。形成外科の吉村浩太郎講師ら。
    ▼毎日。小泉首相ら「情報通信省」構想を否定
    ▼HotWIRED。狂牛病を引き起こす、異常タンパク質『プリオン』を探る
    ▼HotWIRED。ベル研究所、携帯電話の位置追跡機能を細かく設定できる技術を開発
    ▼BizTech。米ベル研、プライバシ保護と位置情報公開を両立するソフト技術「PCP」を開発
    ▼IT Pro。あの“モビルスーツ”に乗れる! 買える!。テムザックのT-52 援竜の話。
    なんだ、違ったんだ(笑)。まさにアーチファクトだったわけですか。まー、いまはそもそも写真なんて加工も自由自在だし、どれが本当だかもわからんわな。つーかたくさん流れるなよ。
    自分のバーコードが作れるサイト
    ▼青空ML。「先の土曜日に隣町の・・ 」。日立製作所「伝の心」の実状。
    ▼スパイラル。
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  • 04.01.19 
  • ▼近所とネットを散歩して一日過ごした。テープは溜まっているが土日も働いたんだからいいだろ。
    ▼ずっと積んでおいた『運動科学 アスリートのサイエンス』(小田伸午/丸善、2003)という本をパラパラめくっていると、『音楽家ならだれでも知っておきたい「からだ」のこと アレクサンダー・テクニークとボディ・マッピング』(バーバラ・コナブル/誠心科学、2000)という本に行き当たった。「アレクサンダー・テクニーク」ってなに? 世間的にはどういう評価なんでしょうか。
    ▼僕がなぜブログ系ツールを使わないのか。去年末の飲み会で言ったことがあるのだが、僕はブログならびにブログ系ツールの特徴は「『タイトル』もしくは『分類』を立てて、記事なり日記なりを書き込みする」という点にあると思っている。これが大きい、と思っているのだ。なぜなら、僕自身がもともと、タイトルを付けてから文章を書く、ということが苦手なタチだからである。まあ、取材記事のように最初から「○○について書く」ということが決まっているタスクの場合は別だが。
    ▼さて、この「タイトルもしくは分類を立てる」ということは何を意味しているのか。このことは、あまり自覚的に行われていないと感じているので、少しここで書いておく。
    ▼「タイトルもしくは分類を立てる」ということは、たとえばそれが日記であれば、日記を離散的に分断していくという行為にあたる。もちろん、そうやって一つ一つをバラバラにして考えている人の場合はそれで何も問題は生じない。だが、僕の場合は(言葉の純粋な意味での日記ではないとは言え)日記を離散化する、という行為に抵抗を感じる。なぜなら僕があることについて考えていたとしても、それはその前にやっていたことや読んでいた本に関連して発想したことであることが往々にしてあるからだ。一つだけをちぎってそれだけで分けて考えられるわけではないのである。
    ▼極端な話、僕がある物事を考えているのは、その直前に空に浮かんだ雲を見たからだ、ということもしばしばだ。僕が天気をメモするようになったのは、自分が意外なほどその日の天気のことを覚えており、そのことから逆に想起させられる記憶が多い、ということに気がついたからだ。
    ▼つまり何が言いたいかというと、いまのブログツールでは思考や言葉が出現した文脈が、多少、失われてしまう、ということだ。あくまで僕の場合、だが。もちろん、別の見方もある。トラックバック等、ネット独自の機能を使うことによって思考が触発される場合は、ブログツールを使ったほうが便利だし、逆にどういう文脈で出現した言葉であるのか分かりやすくなると思う。また、あとで特定テーマについて自分が考えたことをまとめて振り返りたいときには明らかにブログツールのほうが便利だろう。それはブログ作者だけでなく、他者が検索するときも同様だ。
    ▼だが、便利だけを取りたくはない。僕は、引き出しの整理をするときには、隣の引き出しにあったものも覗いてみたいタイプなのである。上の引き出しに入れるか下の引き出しに入れるか、迷った葛藤も含めて思い出したい。日付リンク辿れば良いじゃないかって? でもそのワンステップ、本当にやる人はあまり多くないと思う。
    ▼読売。国立は研究重視、私立は教育力点…大学教員の勤務実態。「研究に費やす時間が私立大より年間400時間も長い一方、教育に割く時間は逆に100時間短いことが、文部科学省の勤務実態に関するアンケート調査で分かった」。
    ▼毎日。インフルエンザ脳症 一部の解熱剤、子供には使わないで。「一部の強力な非ステロイド系解熱剤(メフェナム酸、ジクロフェナクナトリウム)」
    ▼毎日。体感温度の調節で快適に−−始まる校舎のエコ改修
    ▼毎日。電子書籍配信で長編マンガ提供 ドコモグループ
    ▼毎日。カード決済で電話番号の記入不要 注意呼びかけ
    ▼毎日。「情報通信省」創設? 小泉首相が一元化検討指示
    ▼HotWIRED。昆虫の視覚システムを模した「目」を持つ超小型無人航空機
    ▼HotWIRED。真の目的は「シャトルと宇宙ステーション計画廃止」か――米国の新宇宙開発計画
    ▼HotWIRED。月や火星に米国の覇権?――米国の新宇宙開発計画に懸念
    ▼朝日。センター試験問題訂正、前日ネットに教科名書き込み
    ▼japan.internet.com。使っていないところ Foot-Click 足で踏んで操作できるボタン
    ▼NTTデータ。RFIDを利用し、宅配手荷物と航空手荷物のワンストップサービス「手ぶら旅行」を実現! e-タグ実証実験への参加について
    ▼富士通研究所。電子ペーパー材料でコピー用紙と同等の表示品質を実現
    ▼MYCOM PC Web・CES2004レポート。「未来を作る」MITメディアラボも出展、業種や産業の連携による相乗効果
    ▼BizTech。トリインフルエンザ:高病原性H5N1はヒト感染で多臓器不全引き起こす
    ▼sawadaspecial。昔NHKで放映されてた「ボブの絵画教室」がDVDに。誰でも絵が描ける気になる驚異の番組、一度見たことある人ならみんな覚えている「ボブの絵画教室」。取りあえず6本、アマゾンでも予約受付中。「ボブ・ロス”ジョイ・オブ・ペインティング”
    ▼「写真家の力というのはホントすごい」。綿矢りさネタ。
    路上トリックアート
    ▼BizTech。近畿経済産業局など、ロボット関連技術のシーズ発表会を開催。1/23日。
    ▼JST。社会技術研究事業における研究領域「脳科学と教育」のシンポジウムの開催について。砂防会館別館、1月24日(土)9:30〜17:30。面子が……。
    MY Fotolog。Fotologを見れば分かると思うけど、僕はボケーッと空を見ている時間が人より長いんだろうと思う。
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  • 04.01.18 
  • ▼夜中にニュース。米の科学者、ヒトの体細胞からのクローンづくりを発表。パノス・ザボス元ケンタッキー大教授がロンドンで会見。35才の女性に夫の皮膚細胞を使った体細胞クローン胚を移植と発表。
    バノス・ザボスについては以前も報道があった。たとえばこれ:米伊の不妊治療専門医がクローン人間を計画(2001年1月)
    ▼起きたら快晴。新宿にてハイテックの人に取材。「細胞工学」用。
    ▼新刊。

    ▼この3冊はそれぞれ面白そうだ。
    ▼それと、『経済学という教養』(稲葉 振一郎/東洋経済新報社)。どんな内容なのかな。
    ▼『砂の器』を見たあと、また『シュリ』を見てしまった。この映画はスタジアムでのシークエンスの最後、血まみれになって崩れ落ちるキム・ユンジンの表情のためだけにある。まあだいたいの映画は、1シーンのためだけに存在するのだが。
    ▼読売。コンピューターのミス、6人の腎臓移植が後回しに
    ▼神戸新聞。阪神・淡路大震災特集
    ▼毎日。基幹通信網:5年以内に容量不足 危機回避に総務省が研究会
    ▼朝日。「相撲は非知性的」「京都つまらん」と仏内相 仏誌報道
    ▼原沢製薬。赤ちゃんの泣き声分析器"Why Cry"(ホワイクライ) 。赤ん坊版のバウリンガルみたいなものか。スペインの育児用品販売会社ネトゥリン社の商品を輸入販売。
    アキバ系.com。「アキバ系」ってやっぱりこういうことなのか。
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  • 04.01.17 曇りときどき、ちらつき雪
  • ▼またテープ起こしの日々が始まってしまった。
    Google AdSenseを始めてみた。どうもおさまりが悪いけども。もうちょっとレイアウトにバリエーションが欲しい。
    ▼AdSenseは、サイトのテキスト内容に応じた広告を配信する、というのが売りだ。もっとも、広告主そのものがいるかどうか、ということがまず条件として存在しているわけだが、何度かリロードしてみると、なかなか面白い傾向が分かった。確かに、今までのバナーサービスとは違うようだ。中には「ライター募集」なんて広告も表示されて、つい自分でもクリックしてしまった。
    ▼あちこちに貼ってみて試してみたところ、たとえばインタビュー・メールのページではメルマガ配信システム関連の広告が、書評ページではアマゾンからの書籍単品広告が表示される。そして表玄関ページでは、その両者の中間や、bk1やクロネコブックサービス、あるいはリクルートや「編集会議」などの広告が表示されている。このページではご覧の通りだ。モーターやセンサの広告が表示されるところから見ると、テクノロジー系ニュースサイトみたいな扱いになっているようだ。
    ▼どうやら、書評のページは書評、メルマガはメルマガだと認識し、カテゴライズして配信しているらしい。だが、その中身に応じた広告配信まではまだできない段階のようだ。技術的にできないのか、単に広告出稿がないからなのかは僕のサイトでは分からないが、たぶんPC系コンテンツのように広告が十分にある分野のウェブサイトならば分かるのではないだろうか。
    ▼ローカルページではどんな広告が表示されるのか分からない点がちょっと不便だが、実際のウェブサイトに応じた広告配信を行う、という仕組み上しかたないな。あとは、やっぱり中身ともっとマッチングを取ってもらいたいかな。メルマガや書評と一言でいってもいろんな内容のものがあるわけで。
    ▼新刊。

    ▼生命倫理に関しては、自分だったらどうするか、どうしたいのか、という視点を忘れてはいけないと思う。いろいろな議論があるけども論者は常に「あなたがその技術を必要としている立場ならどうしますか」と自問してみるべきだ。個別事例の話がしたいわけじゃない、という人もいるのだろうけども、医療に関する問題は、個別事例から離れて語り始めるとおかしなことになる。「その立場になってみないと分からない」という返事を返してくる人は、一見、正直に見えるかもしれない。だが、それは単に考えているようで実は全然考えていない、あるいはその人がやっている仕事が実際には何の実効力もなく、学界以外では無意味、ということを意味しているのではないか。
    ▼朝日。ハッブル望遠鏡、07年に寿命? NASAが補修見送り
    ▼朝日。イラクの次は火星で特需?新宇宙戦略にハリバートンの影
    ▼東京新聞。展示の目玉に凍結マンモス 来年3月開幕の愛知万博。マンモスのゲノムと原生のゾウゲノムの比較とか解析って行われているのだろうか。
    ▼世の中には色々な本が出ているのだけど、いっぱい出ている割には、ちょうどスカッと抜けている領域がいくつかある。それは単に書き手がいないのか、それともマーケットが存在しないのか。
    ▼マーケットがあると思われるのに抜けている(と僕が思う)のは、分子発生生物学的な観点で書かれた昆虫の本。ブルーバックスあたりでは多分誰かに依頼しているだろうと思うのだけど、なぜ出ないのだろう。
    ▼いっぽうで、マーケットが存在しないのに出ているのがロボットの本。ロボットの人たちに限らず、工学部系の人たちは一般に本を読まない傾向がある、と思う。教科書以外の本、という意味ですが。
    ▼ついでに言えば、脳関連の研究者の人たちもそうらしい……とか挙げていくと、とにかく理科系の人は一般に本を読まない、ということになってしまうのだが。
    ▼まあ、一般書というのは一般人をターゲットにしているから一般書と呼ばれるのであって、研究者を想定してはいけないのだけど。でも、研究者にも影響を与える一般書、というのが確かに存在する。両者の差はどこにあるのだろう? もちろん、著者が高名な研究者であるかどうか、という点は大事なところだが、明らかにそれだけではない。高名な人が書いた本でも全然インスパイアされない本もあれば、シュレディンガーの『生命とはなにか』みたいに、大げさに言えばある分野を作ってしまうような本も存在するわけだし。でもこの本も品切れか。
    ▼AV Watch。コナミ・タカラ、新商品を合同発表 −家電ブランド「±0」の液晶テレビやDVDプレーヤーを展示
    ▼イー・レッツの超音波浄水加湿器「キリー・ポッター」がACアダプタからUSBバスパワーになったそうだ。もうアマゾンでも予約受付中
    ▼ZAKZAK。優良・吉野家…先に倒れる会社いくらもある
    ▼ZAKZAK。「狂牛病連鎖倒産」の恐怖、外食・卸・小売から悲鳴 日米間のメンツ、日豪間の利害に翻弄され…
    ▼ZAKZAK。「体脂肪」という言葉に市民権もたらしたコノ会社 ヘルスメーターの「タニタ」
    ▼CNN。パンなし、それでもハンバーガー?
    ▼ある方の日記を読んでいたら、僕の昔の日記にリンクが張ってあった。読み直して、ああそうか、俺はこういうことを考えていたんだ、と思い出した。
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  • 04.01.16 
  • ▼浜松へ。ヤマハ本社で取材。「人と機械の境界面」用。思いがけず、昨日の日記で書いたボディイメージや時間認知の話題になり、僕個人は取材の趣旨とは関係ないところで、自分の興味がどのように繋がっているか発見させてもらった。ボディイメージの話とインタフェースの話は、深いところでガッチリ繋がっている。考えてみたらあまりに当たり前なのだが、こんなにぴったりとバラバラの二つの仕事がくっつくとは思わなかった。向こうの方はこの日記を読んでいるわけではないので、まったくの偶然だったのだが、色んな意味で興味深かった。
    ▼帰宅するとメールが。身体性認知科学関係の取材をやるかもしれないらしい。僕は別にいいんだけど、仕事的にはそれで大丈夫なのだろうか。個人的には、あのへんは時期尚早なことをやろうとしすぎているのでは?という感じがするのだが。理屈は立派だけど、実際にできあがったものが全然動いてないじゃないか、っていう感じがしているのですが、どうなんでしょう。
    ▼新刊。

    ▼アクチンとミオシンがどうのこうの、という話ですが、まだ正確に分かったとは言えないのでは。いわゆるルースカップリングかタイトカップリングかという問題は未だに解決されてないと思いますが、もうケリがついたんでしょうか。僕の認識では、一分子計測技術によって柳田敏雄先生らの研究がだいぶ認められてきましたが、まだいわゆる“首振り説”に固執している(または基本的にはやっぱり首振りだ、という考え方の)先生も多いと思いますけど、どうでしょう。このへん
    ▼ちなみに柳田氏は脳についてはこんなことを言っている。「脳機能の柔らかさの本質を求めて」。研究室のウェブサイトを見ると、TMSを使った脳卒中後運動不全麻痺患者の機能予後評価などもやってるみたいだ。一度取材に行ってみたいけど。やっぱり科学雑誌系の媒体が一つ欲しい。
    ▼Nature BioNews。医学 :プリオンは記憶に関係している? 記憶にかかわるタンパク質がプリオン型に変化。なんかすごい発見のような感じがするが、意味が分からない。
    ▼Nature BioNews。政策 :輸血と変異型クロイツフェルト・ヤコブ病 献血適格者の絞込みで不足する輸血用血液の有効利用
    ▼Nature BioNews。医学 :幹細胞の「若さ」を保つ方法 フィーダー細胞なしでの培養に手がかり
    ▼HotWIRED。脳とコンピューターを直結するインターフェースが現実に
    ▼HotWIRED。50年前から続く月面基地への夢
    ▼HotWIRED。透明なガラス窓が、テレビやコンピューター画面に変身
    ▼HotWIRED。インドの『シンピューター』、ITUのプロジェクトで採用へ
    ▼ITmedia。宇宙でも活躍するJava、火星探査車を動かす
    ▼IT Pro。いまどき人工知能について書く理由
    ▼CNN。90歳の老人が強盗に正義の鉄拳食らわす
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  • 04.01.15 
  • ▼赤坂で雑談。面白いことができると良いと思う。
    ▼蔵前に移動。雑談兼打ち合わせ。こちらは頑張らなければならない。頑張り方が今ひとつ分からないのだが。
    ▼新刊。

    ▼今日は、昨日の日記の最後でふれた「ボディイメージ」とは何か、ということについて書くことにする。
    ▼街の雑踏の中を歩くときのことを想像してみよう。混雑している町中でも、私たちはそこそこ、体をぶつけることなく歩いていくことができる。なぜだろうか。自分の体がだいたいどのくらいの大きさなのか、把握しているからである。これがボディイメージだ。日本語では「身体図式」と訳されることが多い。気取った言い方だが、簡単に言ってしまえば「体のイメージ」のことである。我々は眼をつぶっていても、自分の体がどこにどんな形で存在しているのか把握できる。真っ暗闇のなかでも手探りで行動することができる。これは、全身の体性感覚からのフィードバックを使って、自分の身体像・空間イメージを形成し、それを元に動作計画を行っているからだと考えられる。これがボディイメージの働きだ。
    ▼ボディイメージには面白い機能がある。ボディイメージは身体のイメージのことなのだが、このイメージを拡張することができるのである。たとえばコップを手に持つと、コップがボディイメージに取り込まれて、一体となる。荷物を持つと、荷物が取り込まれて一体となる。この働きのおかげで、私たちは苦もなくコップの先を口にあてることができるし、大きな荷物を抱えていても、やっぱりあんまりぶつからずに町中を歩くことができる。この機能を「投射」という。バットを持ったときには、バットが自分の身体に取り込まれているのである。ボディイメージの獲得、すなわち自分自身の身体と外界の関係がどうなっているかを把握することは、生物が生きていく上で不可欠であることは、容易に想像できるだろう。
    ▼このことは容易に別のことを連想させる。車の運転のときに「車幅感覚」が大事だ、ということは、運転免許を持っている人間ならば、あるいは車庫入れに苦労した経験を持つ人間ならば、誰でも知っている。ボディイメージに車が取り込まれるかどうかが、車の運転がうまくなるかどうかに関わっているのだと思われる。
    ▼これだけだと単なる「お話」でしかないのだが、もともとこのボディイメージという考え方は、四肢切断の人たちの症例を説明するために持ち出された。そう、このサイトの読者ならばラマチャンドランの『脳のなかの幽霊』(角川書店)で知っているだろう、「幻肢」である。切断患者の修正されないボディイメージが幻肢なのだ。『脳のなかの幽霊』からボディイメージに関する部分を引用しておこう。

     ……この疑問に答えるためには、人間の脳の運動系と感覚系の解剖と生理をくわしく見ていく必要がある。あなたや私が目を閉じて身ぶりをしたとする。私たちは、自分の体の感覚や、手足の位置と動きをいきいきと感じる。イギリスの著名な二人の神経科医、ラッセル・ブレインとヘンリー・ヘッドは(二人とも本名である)、この生き生きとした、内的に構築された経験の総体−−時間と空間における身体の内的なイメージと記憶−−を表現する言葉として、「身体像(ボディイメージ)」という用語を考案した。この身体イメージをつくり、どんなときでも維持するために、頭頂葉が多くの情報源(筋肉、関節、眼、運動指令の中枢など)から入る情報を結びつける。
     手を動かすときは、その運動にいたる連鎖的な事象が前頭葉に−−とくに運動野と呼ばれる縦に細長い領域に−−生じる。この細長い領域は、前頭葉と頭頂葉を隔てる溝のすぐ前にある。溝のすぐ後ろに位置する感覚ホムンクルスと同様に、この運動中枢にも上下が逆さになった全身の「地図」がある。ただし運動野は、皮膚からの信号を受け取るのではなく、筋肉に信号を送っている。(P.78-79)
    ▼このあと話は幻肢のメカニズムの推測へと続く。未読の人は本を読んでもらうとして、ラマチャンドランはボディイメージが如何に変化しやすいかということを示す3つの実験を読者に紹介している(P.95〜)。そして「あなたの体そのものが幻であり、脳がまったくの便宜上、一時的に構築したものだ」と述べている。
    ▼ついでに強調しておくと、ラマチャンドランの鏡の箱の実験は、視覚によるフィードバックが運動指令に影響を与えうる、ということを示す。これは人間の運動制御がなかなか面白い仕組みになっている、ということの一つの証拠だと思う。単に筋肉や関節、靱帯からのフィードバックだけが運動フィードバックではないのだ。
    ▼ここらあたりはロボットと全く違うところである。ロボットにボディイメージを与えようという研究をしている研究者はいる−−だが、彼らは視覚からのフィードバックも取り込もうとしているのだろうか?
    ▼それと、幻肢には「動的でいきいきとした」感覚がある、という点も面白い。ラマチャンドランの幻肢に関する解釈が正しいとすれば、このことは、私たちが四肢を動かすときの「動的でいきいきとした」感覚は、脳から運動指令(その実態がなんであるにせよ)が発せられたときに生成される、ということを意味する。実際に動いているから感覚が感じられるのではないのである。しかもこの感覚は、ボディイメージに対して張り付けられて感じられる。となると、人体上ではない、延長されたボディイメージにも対しても、動きの感覚が感じられても良いのではないかという気がしてくるが、そういう研究があるのかどうか、僕は知らない。
    ▼ボディイメージの話に戻る。東京医科歯科大学の入來篤史は、ボディイメージについて面白い研究をしていることで良く知られている。入来らはサルに熊手を持たせて餌を採らせるという実験で、道具を身体の延長としてコードしていることを示唆する一連のニューロンを、体性感覚情報と空間視情報とが統合されると考えられている頭頂葉で発見した。
    ▼このニューロンは体性感覚と視覚の両方に反応する、いわゆるバイモーダルニューロンである。入來らはこのニューロンの反応を計測することで、このニューロンの体性感覚受容野(触・圧刺激がそのニューロンを活動させる体の部位)と視覚受容野(空間走査用のプローブがそのニューロンを活動させる空間の範囲)を同定した。その結果、体性感覚受容野が視覚受容野を取り巻くように存在し、体を動かすと視覚受容野も追従して動いた。つまりこのニューロンは体性感覚と視覚を統合してボディイメージを形成していると考えられた。
    ▼実験結果は、熊手を使って餌を採るトレーニングの結果、このニューロンの反応が、熊手の先端にまで伸びたというものである。心理的な道具との一体感みたいなものが、神経生理学的な現象として計測されたわけだ。しかも面白いことに、餌をとってしまったあとは、たとえ熊手を手に持ったままであっても、反応が手にまで縮小したという。ボディイメージは自在に伸び縮みするらしい。
    ▼また、モニタ上にリアルタイムに手を映し出しながら実験を行ったところ、視覚受容野はモニタ上の手の周辺に形成されたという(身体像の生成と意図的操作に対応する頭頂葉ニューロン活動)。これらの実験の結果は、手に道具を持ったとき、あるいはゲームに興じるときの没入感を説明できる可能性を持つのではないかとつい考えたくなるものだ。
    ▼また続くかもしれません。ところで、壁に向かってボールを投げると、ボールがぶつかる壁面にボディイメージが投射される、という研究があったように思うのですが、誰の研究だか思い出せません。どなたか教えて頂けませんか?
    ▼AstroArts。 初期宇宙の銀河はすでにかなり成熟していた! ブラックホールの影響か?
    ▼CNN。無人探査車「スピリット」、火星に降り立つ
    ▼HotWIRED。ブッシュ大統領の「新宇宙計画」――月面基地や火星への有人飛行も視野に
    ▼HotWIRED。ナノテクが新たな有害物質を生む?――最新電子顕微鏡が明かすナノ粒子の素顔
    ▼HotWIRED。多くの携帯機器を格納し、太陽電池で充電できるジャケット
    タカラとインデックスが商品開発で新会社を設立。新会社「タカラインデックス ラボ株式会社」。
    ▼【ポピュラー・サイエンス・ノード】本日現在購読申込者数:9,092。
    ▼【ネットサイエンス・インタビュー・メール】本日現在購読申込者数:21,736。


  • 04.01.14 
  • ▼いま出ている『中央公論』2月号から、科学書書評担当になった。隔月で登場予定。隔月だから、一年やらせてもらうにしても6冊しか紹介できない。ちゃんと選ばないといけないなと思う。
    ▼テレビ埼玉で『侍ジャイアンツ』を久々に見てしまったが凄い世界だ。こんなんだったっけ。
    ▼新刊。

    ▼『自動改札のひみつ』の著者・椎橋氏はJR東日本のSuicaを開発した人。
    ▼さて、以前の続きを書く。
    ▼ものを取るために腕を伸ばす。そのときに各関節角度をどのように曲げればいいのか。この問題を逆運動学という。だが逆運動学がどうのこうの、といった話はめんどくさいのでパス。ついでに躍度最小だとか何だとかといった問題もパス。
    ▼人間が本当に逆運動学や順運動学をやっているのかどうか定かではない。多くのヒトはやっていると思っているわけだが。ただ、線形代数(あるいは代数幾何)が何の役に立つのか実感させるために、本当は高校でロボティクスを教える、というのはすごく有効なのでは?と思ったりしている今日この頃。あるいは高校生向け、ロボットのための線形代数、といったビジュアルな教科書を誰かが書くとか、どうですか? 既存の教科書とは違うアプローチで代数と幾何の関係を記述できるのではないかと思うのですが。是非オーム社あたりからそういう本を出してほしい。基礎は大事だけど、基礎だけじゃ面白くないんだよ。基礎の先の目標が分かっていて初めて、基礎を勉強する気が出てくるわけで。
    ▼さて。色々な本と、丁寧に教えてくれる先生方のおかげで、機械を制御する手法がどんなものであり、どのように発展してきたのかということを「門前の小僧、習わぬ経を読む」程度ではあるが、何となく学んできた。すると今度は、人間はなぜ容易に腕を振り回し、ものを持つことができるのだろうかということが気になりはじめた。私は、やはりどうしても人間に興味が戻ってきてしまうのである。
    ▼たとえば、ロボティクスでは力発生器のことを「アクチュエータ」と呼ぶ。ヒトの力発生器は筋肉である。では筋肉とはどんなアクチュエータなのか? その問題に触れる前に一度ロボットに戻っておく。ロボットで油圧よりもモーターが使われることが多いのはどうしてかというと、制御がしやすいからである。温度そのほかで特性の変わる油圧では制御が難しい。言い換えれば、ぴたっと望むところに望むように腕を動かすことが難しいということだ。ところが筋肉が良いアクチュエータなのかというとそうでもない。筋肉は、多数の微小なアクチュエータがまとまって動くことによって力を発する。筋肉がなぜ動くのかという問題はいまだに解かれていないが、その特性はバラバラである。なぜこんなに特性がバラバラのものを使って腕を制御することができるのか? あるいは生物はきっちり制御するということを捨て去って、おおざっぱでいいや、という形に問題の解を捉えている可能性もある。ではそれはどのように大ざっぱなのだろうか? なぜ大ざっぱでも生物は生きていくことができたのだろうか?
    ▼また、筋肉は収縮しかできない。そのため関節は屈筋と伸筋を配置することで駆動される。筋肉の場合、その差がトルクとなる。これを拮抗駆動という。筋肉にはモーターにはないバネのような性質もある。弾性特性である。動かしたときの抵抗、粘性特性もある。筋肉はこの二つの特性、まとめて粘弾性特性と呼ばれる特性をコントロールすることで、筋肉は機械的なインピーダンスをコントロールする。関節トルクは拮抗によって生み出されるので、インピーダンスはそれとは関係なく制御することができる。つまり、大きな力を発して関節を硬くしながら小さなトルクに変換したり、その逆にかるーい力で関節をふにゃふにゃと動かすこともできるのである。これが人間の動きの特徴になっている。ガチンガチンで動くこともできれば、外力に応じて柔軟に動かすこともできるのである。
    ▼数え方にもよるが人間にはおよそ500の自由度があるらしい。関節を硬くするのは自由度を減少させることに相当する。自由度が減少すれば制御はやさしくなる。人間は、特定の関節だけを硬くしたり柔らかくしたりすることができる。初めてやる運動のときは全身が硬い。だがしばらくすると、柔らかくてもいい関節がどこなのかだんだん分かってくる。そこでいわゆる無駄な力が抜ける、ということが起きる。人間は、いらない自由度を拘束したり、冗長性を上げたり下げたりすることができるのである。
    ▼しかも面白いのは、人間の場合、それをビジュアルセンサ(眼)で獲得した世界情報を元に、あらかじめ適切な関節自由度や運動パターンを生成して、それを実世界に適用し、必要に応じて滑らかに別の運動パターンへとスイッチングすることができる、という点である。たとえばペンを取るという運動を考えよう。ペンを取ろうと手を伸ばす。ところが腕を伸ばす途中で、ふと手に取る大賞を消しゴムに変えてしまったとする。そのときに運動パターンが切り替わる。マイクロスリップと呼ばれる現象だ。「歩行パターンをリアルタイムで生成可能であり、歩行中に自在なパターンに変更可能です」といったことが論文で未だに語られることから逆説的に分かるように、これまたロボットには結構難しい運動である。しかも人間がやっている運動パターンの数は、ロボットが持っている運動パターンの比ではない。
    ▼このように、ロボティクスの考え方を学ぶことで、ヒトがどのように動いているかという問題を、要素に分解しやすくなる。そのことが、身近な運動を見る新しい視点を与えてくれる。
    ▼そしてロボティクスの面白いところは単なる机上の学問ではない、というところである。ロボットは動かなければならない。そのためには一度分解した要素をもう一度、「動くシステム」として組み立てなおさなければならない。物理世界ならではの問題もある。そこに格闘が生まれる。それは外から見ていても十分面白いものだ。
    ▼最初に書いたように、人間が本当にロボットがやっているような計算をしながら動いているのかどうかは定かではない。だが、ロボットのアームを動かすためには計算が必要であることは確かであり、そして近年の計算論的な脳へのアプローチや実験の数々は、ヒトがある種の機械と見なせること、というよりも、ヒトがある種のモデルを内部に持っており、それに基づいて動作していると見なせることを支持している。
    ▼そうなってくると、また新しい興味へと、この問題は続いていく。これまで別の学問分野のなかで論じられていた問題に、新しい角度から迫ることができるのではないか。たとえば錯覚など知覚の錯誤の問題等は迫って行きやすいと思われる。知覚の錯誤は、進化に伴って獲得された生物の情報処理システムのバグ、あるいは処理を単純化するために端折っている結果起きていると思われるからである。
    ▼それと、もう一つ最近面白いと感じている問題がある。バットを持ったときの運動を考えると、人間はバットの先のことしか気にしていない。というよりは、自分の体のことだけではなくバットもまるで自分の身体の一部であるかのように人間は捉えている。これはどういうことか。ロボットのメタファで言えば、座標系にバットの先も組み込んでいる、ということになる。では人体にもそのような座標系が実在するのだろうか。実在する、という証拠が出始めている。しかもバットの先までが自分の身体の一部として知覚されていることが、実際の実験で確認され始めている。なぜ「バットの先」のことだけが「意識上」の問題として処理され、「体」の問題は「意識下」で処理されるのかといった問題も面白いが、この座標系の問題も実に面白い。「ボディイメージ」や「ミラーニューロン」といった言葉は、最近ロボットの研究発表の場でもよく聞こえるようになってきた。ただ、ロボットの研究者達はどうも単純化しすぎているような感じがするのも確かだが。
    ▼続く、かもしれない。
    ▼それと、間違いがあったら指摘してください。「日本人が使うダジャレランキング」とかやってた『トリビアの泉』を見ながら書き殴ったものなので。よろしくお願いします。ちなみに3位:布団が吹っ飛んだ、2位:トイレにいっといれ、1位:電話にでんわ、だった。サンプル数が大きいのでかなり信頼性は高い、かも。各都道府県別のランキングも変わっていたらしい。このデータは是非公開してもらいたい。
    ▼『想像 心と身体の接点』(月本洋、上原泉/ナカニシヤ出版)が来たのでパラパラめくる。我々は物事を理解するときに何事かを想像する。この本の著者は言葉の意味の理解には「記号操作可能性」と「想像可能性」の二種類があり、「記号操作可能性」は「想像可能性」に基づいている、つまり理解するには想像が必要だという。それが正しいかどうかはさておき、想像は「仮想的身体運動」であるという話は面白いし、なんとなく分からなくもない。本書ではいくつか実験が紹介されている。
    ▼ただ僕はむしろ「仮想的身体運動」が「想像」というものの一部分を構成している、と言ったほうが良いと思っているのだが。ロボットの話に続けると、ロボットでもそういうのはやってるわけですよ。ロボットはいま歩いている軌道だけを計算しているわけではない。時々刻々変わる環境と自らの身体状況に応じて、軌道を絶えず新しく更新し続けている。たとえばドアを開けて部屋のなかを見渡したとしよう。その瞬間、人間は、部屋のなかを歩き回るいくつものルートにおける軌道生成をしていると考えられる。だからフラッとどこへでも歩いていけるのだ。机を回り込むなどして、新たな環境情報が獲得されると、また新しい軌道が生成される。実際に、いまのヒューマノイドはそういうことをしながら歩いている。腕をふったり腰をひねったりする、ただそれだけのことでも体のバランスは変わる。バランスを崩さないためには計算が必要だ。動く前に必ず軌道生成が必要なのである。人間もそういう計算をやっているに違いない、と言っている研究者もいる。というか、そうじゃないと動けない、というわけだ。非侵襲計測で、実際には動いていないときにも動いているのと同じ部位が活動していることが分かった、というのはある意味当たり前である。
    ▼ただ、これが「想像」のすべてか、というと、それは何だか違うのではないかという感じもする。また、人間が本当にいちいち全部計算しているのかどうかは、まだ議論の余地がある。
    ▼『想像』に戻るが、著者は、言葉の意味とは、その語によって引き起こされる仮想的身体運動である、という「身体運動意味論」を提案している。まだちゃんと読んでないので、ここらへんはどうだか良く分からない。
    ▼ITmedia。RFIDネットワークの運営をVeriSignが担当
    ▼日本工業新聞。文科省、がん治療の研究支援で専門機関
    ▼毎日。16活断層、30年内に地震の可能性−−調査研究推進本部、観測を強化
    ▼AV Watch。アイワ、世界最小/最軽量の2GB HDDプレーヤー −防滴設計のヘビーデューティモデルも発売
    ▼日経。ICタグ実用化、200企業と機関が共同実験
    ▼バンダイ。『ドラえもん・ザ・ロボット』2004年3月下旬発売 我が家に「ドラえもん」がやってくる! 〜バンダイが贈る対話型エンターテインメントロボット〜。19,800円。値段なりの機能。年内に5000個の販売を目指す。
    ▼去年、僕は芳賀さんに質問をした。「ちょっとした動きしかできないものでも『キャラクター化』すれば『商品』になる、というのは分かります。ですが、ロボットにオモチャのガワを被せて販売することは、消費者のイメージを矮小化するだろうし、将来的なロボット市場にとってはマイナスになるのではないかと思うのですが、芳賀さんはどのようにお考えですか」。芳賀さんの答えは「確かに長期的にはマイナスだと思います。ですがこういったものを出していくことで、市場の反応を見ながら開拓していかなければなりません」だった。ロボット市場は難しい。
    ▼毎日。タカラが夢見装置と暗記装置を発売へ
    ▼中日新聞。駅前交番で「ガンダム」の世界 岐阜中署林巡査長がCG作品を展示
    アシェット婦人画報社、「週刊タイタニック」創刊。テレビCMを見たが、すげえ。デカイ。俺が広い家に住めるようになったとき、こういったものが手に入る世の中だったら良いのだが。
    ▼「あなたがつぶやく最期の言葉」やってみた。月下工房経由。

    「もう、何が何だか分からない」
    オーバードーズ、朦朧とした意識の中(推定年令:不明)

    あなたの総合運 ☆☆☆

    あなたは実に崇高な魂の持ち主です。たとえ満員電車で寿司詰状態であったとしても、閉じられたあなたの眼の裏では、壮大な大宇宙が広がっているのではないでしょうか。あなた独自の生命論、世界観はなかなか聞き応えのあるもので、密かなファンも少なくないことでしょう。ただし、お酒の席での披露は禁物ですよ。
    そんなあなたの最期は、ずばり、オーバードーズ。眠りの前に瞑想をする習慣が災いして不眠症ぎみなあなたは、つい飲みすぎた睡眠薬によって永遠の眠りにつきます。枕もとに重ねられたツルゲー